『声を出せ』と何百回と言い続けてきただろうか。
集中力が研ぎ澄まされた状態で、無口になるのであれば仕方がない。
ただ何となく無言でプレーするほど無意味な事はない。
生身の人間同士にしか感じることの出来ない喜怒哀楽を共有したく無いのか。
それとも想像力の欠如で、感じ取る能力すら持ち合わせていないのか。
ただただ生意気でも、上から目線でも、何でも良いから吐き出してしまえ。
文化こそ違えど、留学経験から言える事はアメリカではどんなに感謝していても、それを口にしなければ何も伝わらない。
『ありがとう』と言う言葉1つにしても、具体的に何に対してそう言っているのか明確でないと、言葉の真意は伝わらない。「お前は本当に感謝しないな。腹たつね。」と言われてカルチャーショックに打ちのめされたそんな一日が確かにあった。
『うれしい』『かなしい』『むかつく』などの誰しもが抱く心の声を吐き出して、時にはぶつかってでもお互いの思いを言葉で確認し合う。
特に勝負の世界では、たった1つのコミュニケーションの掛け違いで、勝つか負けるか結果が変わってくる。
内に秘めていても、相手に伝わらなければ何の価値も無い。
その瞬間に求められる自己表現が出来ないプレイヤーに、勝利にこだわる価値が見出せる訳がない。
本当に勝利を手繰り寄せたければ、何でも良いから声を出してみろ。
これだけ言われて、何も内から込み上げて来るものがないなら、スポーツなんか辞めてしまえ。
そこのあなた、オレはあなたの生きた声が聞きたいだけなんだ。
そこから始まる未来があるから!
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